「民泊を始めたいけれど、料金設定の基準が分からない…」そんなお悩みはありませんか?
民泊ビジネスでは、価格設定次第で集客力も収益性も大きく左右されます。
特にAirbnbなどのプラットフォームでは、競合とのバランスを取りながら適正価格を見極めることが不可欠です。
- これから民泊ビジネスを始めたいと考えている方
- 民泊を運営しているが、思うように収益が上がらない方
- Airbnbを活用して売上最大化を目指す方
民泊ビジネスを成功させるうえで、料金設定は集客と収益性を左右する最重要ポイントです。特にAirbnbなどのプラットフォームでは、同じエリア内に多数の競合物件がひしめいており、「高すぎれば予約が入らず、安すぎれば赤字経営に」というジレンマがつきまといます。
この記事では、民泊専門の行政書士の視点から、Airbnbの平均価格の調べ方、競合との比較方法、ターゲットに合わせた料金戦略、そして見落としがちな法令リスクまでをわかりやすく解説します。
Airbnbの民泊料金・値段の平均相場を確認する方法

1.一番簡単な方法:Airbnb検索で相場を確認する
Airbnb公式サイトで以下のような絞り込みをすることで、おおよその平均価格帯が分かります。
①地域(例:大阪市中央区、京都市下京区)
②宿泊日(平日と週末で比較)
③宿泊人数(2名、4名、6名など)
④部屋タイプ(まるまる貸切、個室、ホテル形式)
特に「まるまる貸切」タイプの民泊は人気があり、1泊10,000〜25,000円が相場になることが多いです(都市部の場合)。
実際の物件を複数比較して、宿泊料金・清掃費・サービス料などの「合計金額」で判断しましょう。
2.平均相場は“目安”に過ぎない
表示されている価格はあくまでも希望価格(販売価格)であり、実際にその価格で予約されているとは限らず、季節によって相場も変動します。
【価格変動の例】
①繁忙期(春・夏休み・年末年始) 価格が高騰しやすく、競争が激化
②閑散期(2月、梅雨など) 値下げによる集客が必要
適切な料金設定のための“実践的な相場の探し方”

1.あなたの地域の民泊平均相場を調べる
例えば、東京23区、大阪市内、沖縄のようなインバウンド需要が高いエリアでは1泊あたりの料金が高くなりがちです。
一方、地方都市や住宅街では平均単価が下がる傾向にあります。AirDNAなどの有料ツールや、民泊仲介業者の公開データを活用するのも効果的です。
①タイプ 平均相場(都市部)
②1R〜1LDKの一室貸し 6,000〜12,000円
③2LDK〜3LDK(家族向け) 15,000〜30,000円
④和室一部屋の個室貸し 3,000〜6,000円
2.競合レビューを分析して価格の根拠を探る
競合物件のレビューを見ることで「価格に見合う満足感」が提供されているかを分析できます。
①価格の割にアメニティが充実
②清掃が行き届いていないという不満
③駅近で利便性が高い点が好評価
こうした声から、価格に影響を与えている要素を見極め、改善や差別化に活かしましょう。
民泊物件の料金設定における重要ポイント

1.運営コストを正確に把握する
料金を決める際は、まず運営にかかる原価を明確にしておきましょう。
①清掃費・リネン交換:1回5,000〜10,000円
②水道光熱費:月1〜2万円
③消耗品費:トイレットペーパー、歯ブラシ等
④固定費:賃料、管理費、Wi-Fi契約料など
月間稼働率と損益分岐点を計算して価格設定を行うのがプロのやり方です。
2.ターゲットに合わせた価格戦略
ファミリー層、外国人観光客、ビジネス客など、ターゲットごとに期待値と支払意欲は異なります。
①外国人観光客 → 交通アクセス+清潔感+写真映え
②国内ファミリー → 騒音対策、周辺施設の充実度
③ビジネスマン → Wi-Fi、デスク、静音性
それぞれに合わせて価格と付加価値を調整しましょう。
3.ダイナミックプライシングで売上最大化
曜日・季節・イベントによって価格を柔軟に変更する「ダイナミックプライシング」は、収益を最大化する上で欠かせません。
民泊料金設定でやりがちな失敗例と回避策

1.安易な値下げ合戦に巻き込まれる
近隣の物件より少しでも安くしようと値下げを繰り返すと、収益が圧迫され、運営そのものが継続できなくなるリスクがあります。価格競争には極力巻き込まれず、「価格以外の強み」(立地、内装、サービス)で差別化することが大切です。
2.高値設定で空室が続く
「高級志向でいきたい」と思って高値設定をすると、特にレビュー数が少ない開業初期では全く予約が入らないケースも。最初の3か月間は「レビューを稼ぐためのキャンペーン価格」を設定するなど、戦略的に価格を調整しましょう。
3.清掃費や追加料金の設定ミス
宿泊料金が適正でも、清掃費や追加人数料金が高すぎると、利用者に割高感を与えてしまいます。料金の総額表示において、清掃費も「適正相場」(例:1回5,000円前後)に収めることが重要です。
Airbnbの料金設定ツールを活用して効率化する方法

民泊運営では、手動で毎日価格を変動させるのは現実的ではありません。
そこで役立つのが、Airbnbの自動プライシング機能や、外部の料金最適化ツールです。
①Airbnbスマートプライシング:自動で市場価格に応じた提案をしてくれる無料ツール
②PriceLabs、Beyond Pricing:AIを活用し、より高度な価格設定ができる有料ツール(1部屋月数千円程度)
これらのツールを導入することで、市場需要に応じたリアルタイムの価格調整、ハイシーズン時の価格最大化、ローシーズンの稼働率確保が可能になります。
ただし、ツール任せにするだけでは「自分のブランドイメージに合わない価格」が設定されるリスクもあるため、最終的には自分自身で確認・調整することが大切です。
効率化できる部分はツールに任せ、戦略的な部分は人間の判断で補うのが成功のコツです。
民泊専門行政書士からのアドバイス
「料金設定は法令にも配慮すべき」というのが、民泊専門行政書士からの重要な視点です。
民泊新法では「適正な価格表示」が義務づけられています。
不当に高い「キャンセル不可プラン」などは景品表示法違反の恐れも。
また、収益が大きくなると「消費税課税事業者の届出」や「青色申告」などの税務対応も必要になります。開業前から税務・法務面の相談ができる行政書士に依頼することで安心して運営が可能になります。
まとめ|民泊の料金設定は「調査+戦略+調整」がカギ

民泊の料金設定は単に「近隣の平均価格を真似する」だけでは不十分です。適正な価格を導くには、徹底した相場調査、自物件の強みの把握、ターゲットとのマッチング、そして価格調整の仕組み化が必要です。
行政書士など専門家の知見を活用することで、トラブルを未然に防ぎながら利益最大化を目指すことができます。
もしご自身での価格戦略に不安がある方は、当社(民泊申請サポート専門の行政書士事務所)までお気軽にご相談ください。初回相談無料・オンライン対応可能です。