民泊

【旅館業許可取得のステップ】申請に失敗しないために読んでください!

「旅館業の許可を取りたいけれど、何から始めればいいのか分からない…」

そんなお悩みはありませんか?旅館業法は民泊新法とは異なり、求められる設備要件や申請手続きがより厳格です。そのため、しっかりと理解せずに申請を進めると、思わぬ時間や費用のロスにつながることもあります。

公式ラインから「保健所現地調査チェックリスト希望」とご連絡いただいた方にはチェックリストを無料プレゼントします!

大久保 太一
大久保 太一
本記事では、旅館業許可を取得する際のポイントから注意すべき設備基準、スムーズに許可を得るためのコツまで、民泊専門行政書士の私が解説します。これから宿泊事業を始めたい方にとって、実践的な内容となっていますので、ぜひご一読ください。

こんな人におすすめの内容
  1. 民泊ビジネスをこれから始めようとしている初心者の方
  2. これから旅館業の許可申請を検討している個人事業主や法人の方
  3. 許可取得に必要な設備要件や手続きの流れを具体的に知りたい方

許可取得を始める前に知っておくべき基礎知識

1.旅館業とは何か?営業形態と区分

旅館業とは、宿泊料を受け取って人を宿泊させる事業を指します。ここで重要なのは、「宿泊」とは寝具を利用して休息・睡眠をとる行為を指すという点です。
そのため、たとえ短時間の滞在であっても、寝具を提供すれば旅館業に該当する可能性があります。

旅館業法では、営業形態を大きく4つに区分しています。すなわち「旅館・ホテル営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」「住宅宿泊事業(いわゆる民泊)」です。

これらは施設の構造や運営形態によって区別されており、どの許可区分で申請するかを明確にすることが出発点となります。

たとえば、ゲストハウスやホステルのような共同利用型施設は『簡易宿所営業』に該当し、一棟貸しやドミトリー型などの宿泊形態が中心です。

一方、個室を中心にした滞在型施設は「旅館・ホテル営業」の対象になります。

2.許可対象となる施設の範囲と除外されるケース

旅館業の許可が必要になるのは、継続的に宿泊サービスを提供する場合です。

したがって、親戚や知人を一時的に泊めるだけのケースや、無償で宿泊させる場合は許可不要となります。

また、オフィスやレンタルスペースのように、宿泊を伴わない時間貸しサービスも旅館業には該当しません。


ただし、無許可で宿泊料を受け取る行為は「無許可営業」となり、旅館業法第10条により処罰の対象になります。

特に、民泊や短期賃貸を目的としたAirbnbなどの掲載では、「旅館業許可」か「住宅宿泊事業届出」のどちらかが必須となるため、用途を明確に分けておくことが大切です。

3.地域条例等の追加規制の確認

旅館業は全国一律の法律で定められていますが、実際の運用は各自治体によって異なります。特に大都市では、用途地域の制限や建築基準法、消防法の規定がより厳しく設定されているケースがあります。

たとえば大阪市や京都市では、住宅地での営業を制限したり、生活環境への配慮を求める独自の条例が存在します。


許可申請を行う前には、必ず自治体の保健所や建築指導課へ事前相談を行うことが不可欠です。この時点で施設の構造や立地に問題があると、改修費用が想定以上にかかることもあります。

許可申請の準備段階でやるべきこと

1.事前相談/ヒアリングの重要性とポイント

旅館業の許可をスムーズに取得するためには、まず保健所への「事前相談」が欠かせません。ここでは、施設の図面や用途、客室構成、トイレ・浴室の配置などを確認し、現行法に適合しているかどうかを早い段階で判断してもらいます。

この時、申請者自身が「どの営業形態で許可を取りたいか」を明確に伝えることが大切です。

たとえば、簡易宿所営業を希望する場合と、ホテル営業を行いたい場合では、構造基準や必要設備が大きく異なります。

大久保 太一
大久保 太一
事前相談の段階で指摘を受けた内容をもとに、設計士や行政書士と連携しながら図面や仕様を修正することで、後の審査をスムーズに進められます。

2.構造・設備の予備チェック(図面・仕様確認)

許可の審査では、施設の構造・設備が衛生面や安全面の基準を満たしているかが重点的に確認されます。

そのため、申請前に図面と現場の整合性を確認し、「平面図」「立面図」「給排水設備図」などの図面一式を整えておくことが求められます。

特に注意すべきは、トイレや浴室の数、換気設備、避難経路などです。これらが基準を満たしていないと、後に改修が必要となり、費用と時間の両面で大きな負担になります。

また、建物が古い場合には、構造上の制約から必要な改修が難しいケースもあるため、申請前の現地調査を必ず行い、設備の改善計画を立てておくことが望まれます。

3.各関係法令との整合性確認(都市計画法、建築基準法等)

旅館業の許可は、単に保健所の基準を満たすだけでは取得できません。実際には、都市計画法・建築基準法・消防法など複数の法律が関係します。

たとえば、都市計画法では、旅館業が許可される「用途地域」が定められており、第一種低層住居専用地域などでは営業が認められないことがあります。
また、建築基準法上の「用途変更」が必要となる場合も多く、用途を「住宅」から「旅館」に変更する際には、建築確認申請が必要になるケースもあります。

こうした法的整合性を無視して進めてしまうと、許可が下りないだけでなく、違反建築とみなされる恐れもあります。したがって、行政機関との調整は専門家のサポートを受けながら慎重に進めることが成功への近道です。

施設の構造・設備要件と適合性対策

1.客室、共用部、トイレ・洗面所の基準

旅館業の許可では、宿泊者が快適かつ安全に滞在できる環境が整っているかどうかが審査の中心となります。特に客室は、「十分な採光・換気・面積」が確保されているかがポイントです。

一般的には、客室1室あたりの床面積が一定の基準を満たす必要があり、簡易宿所の場合でも、一人あたりの床面積や通路幅などの規定があります。

トイレや洗面所については、性別を問わず利用しやすい配置と、衛生的な清掃体制の整備が重要です。

2.浴室・入浴設備の要件と管理方式

浴室の設置は営業形態によって異なりますが、旅館・ホテル営業では原則として入浴設備の設置が求められます。


ただし、簡易宿所営業では、共同浴室でも基準を満たしていれば許可取得が可能です。重要なのは、清掃・消毒の体制が整っていることと、給湯・排水設備の安全性が確保されていることです。

また、近年はシャワーブース形式の簡易浴室を採用する施設も増えています。その場合でも、床の排水勾配や防水処理、換気設備の能力などが基準を満たす必要があります。

3.消防・防災設備、安全性確保の観点

旅館業施設は不特定多数の人が利用するため、消防法に基づく防火対策が非常に重要です。

具体的には、消火器や誘導灯、火災報知器の設置が義務付けられており、延床面積や階数によっては自動火災報知設備の設置も必要になります。

加えて、避難経路の確保も重要な要素です。非常口の位置や案内表示、夜間照明など、避難時の安全性を高める工夫が求められます。

安全対策を怠ると、営業停止命令や罰則の対象になることもあるため、法令遵守の意識を常に持つことが信頼される宿泊施設運営の第一歩といえます。

書類作成および申請手続きの流れ

1.必要申請書類一覧と記載の注意点

旅館業の許可申請では、まず保健所に対して提出する書類を正確に準備することが求められます。主な書類は、「旅館業営業許可申請書」「施設の構造設備の概要書」「建物の平面図・配置図」「登記事項証明書」などです。

これらに加えて、申請者の本人確認書類や賃貸借契約書の写しなど、営業権限を証明する書類も必要となります。

また、建物の図面は現況と完全に一致している必要があり、古い図面を流用するのではなく、最新のレイアウトに合わせて設計士が修正を行うのが望ましいです。

2.提出先・申請費用・受付までのプロセス

旅館業の申請は、営業予定地を管轄する保健所に行います。自治体によっては郵送申請を受け付けていない場合もあるため、事前に電話や窓口で確認し、申請予約を取ることが基本です。

書類提出後、保健所の担当者による形式審査が行われ、内容に問題がなければ現地調査の日程が設定されます。

書類審査から現地確認までの期間は、通常2〜3週間程度ですが、繁忙期や図面の不備がある場合にはさらに時間を要することもあります。

3.保健所・関係機関の審査・現地調査対応

現地調査では、提出した図面の内容と実際の施設構造が一致しているか、衛生管理や安全性が確保されているかが確認されます。検査官は、トイレ・浴室・客室の配置、換気設備の機能、避難経路などを重点的にチェックします。

最も重要なのは、事前に施設を「許可基準に適合した状態」に整えておくことです。

現地調査後、特段の指摘がなければ数日〜1週間程度で「旅館業営業許可書」が交付されます。許可書を受け取った日から正式に営業を開始できるため、この日を基準に開業準備を整えることが望ましいでしょう。

許可取得後・運営中の注意点と維持管理

1.許可更新・変更時の対応

旅館業の許可は永続的なものではなく、施設の状況や運営内容が変わった際には、変更届や再申請が必要になります。

たとえば、建物の改装、営業者の変更、営業形態の転換(例:簡易宿所から旅館営業へ)などを行う場合は、速やかに保健所へ届出を行うことが義務付けられています。

また、施設の管理者が交代する場合も同様に届出が必要です。

届出を怠ると無許可営業と見なされ、罰則の対象となることがあります。

営業を継続するためには、法令に基づく定期的な更新確認を行い、行政からの通知に迅速に対応する体制を整えておくことが大切です。

2.衛生管理・清掃・設備点検の体制構築

旅館業法では、宿泊施設に対して「常に衛生的な環境を保持する義務」が定められています。特に、浴室やトイレ、寝具など宿泊者が直接利用する部分の衛生状態が基準を満たしていることが求められます。

清掃業務は、施設スタッフまたは外部委託業者によって定期的に実施される必要があります。また、換気・排水・給湯設備などの点検を怠ると、衛生上の問題だけでなく営業停止処分を受ける可能性もあります。

このように、日常的な衛生管理を徹底することは、宿泊者の安全と信頼を守るだけでなく、リピーター獲得にも直結する最も重要な運営要素です。

3.苦情対応・事故リスク対応と保険加入

営業を続けていく中では、宿泊者からの苦情やトラブルに対応することも避けられません。特に、騒音や設備不良、衛生面でのクレームは頻発しやすい項目です。
そのため、苦情受付の担当者や連絡体制を明確にし、迅速かつ丁寧な対応を行うことが信頼維持の鍵となります。

また、火災や水漏れ、食中毒などのリスクに備え、旅館業者向けの保険(施設賠償責任保険や生産物賠償責任保険)に加入しておくことが望ましいです。

まとめ

旅館業許可の取得は、単なる申請手続きではなく、法令遵守・衛生管理・安全対策を総合的に整備するプロセスです。
申請前の段階で自治体への相談や構造基準の確認を行い、関係法令に適合した施設整備を進めることで、許可取得までの流れがスムーズになります。

また、許可を取得した後も、更新手続きや衛生管理、苦情対応など、継続的な運営努力が必要です。こうした地道な管理が、結果的に宿泊者からの信頼とリピート利用につながります。

旅館業は「開業して終わり」ではなく、「継続して信頼を築く」事業です。法令を理解し、地域社会に配慮した安全・安心の宿泊施設を運営することこそが、長く愛される施設づくりの第一歩といえるでしょう。

大久保 太一
大久保 太一
当行政書士事務所では、物件選定、収支計画、事業計画書作成、許可取得から運営、法律相談まで伴走的にサポートをしています。最善な方法をご提供しますので、お問い合わせから無料相談お待ちしております。