民泊許可

【民泊開始】 民泊の始め方を解説!必要なものや開業費用について

今回は民泊の始め方について解説していきます。

こんな人におすすめの内容
  1. ⺠泊を始めたいけど、何から⼿をつけたら良いのかわからない
  2. 法律の知識がなく、⺠泊を開業するのにハードルの⾼さを感じている
  3. ⺠泊運営に失敗して損をするのだけは避けたい

⺠泊を始めたいと思っていても、どのような流れで開業すれば良いかわからない⽅は多いのではないでしょうか。⺠泊事業は将来性があり、不労所得を得たいという⽅にもおすすめで魅⼒的なビジネスです。

ただし、⺠泊を運営するには許可申請や届出が必須です。必要書類が多く、⺠泊の種類によって開業⽅法が異なるので、知識がないと営業開始までに時間がかかってしまいます。

そこでこの記事では、以下の内容について解説します。⺠泊の開業に不安がある⽅のために相談先も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

大久保 太一
大久保 太一
この記事を書いている私は行政書士として実際に民泊の許可申請代行を実際に行っています。実際の経験に基づいた内容をお伝えできればと思います。

⺠泊とは?

⺠泊とは、個⼈や法⼈が所有する住宅や空き物件を短期間、旅⾏者に貸し出す宿泊サービスです。ホテルや旅館と異なり、ゲストは地元の⽣活を体験できることが魅⼒です。

⽇本では「住宅宿泊事業法」(⺠泊新法)や「特区⺠泊」に基づいて運営され、法的な⼿続きを経て認可が必要です。⺠泊は観光地だけでなく、地⽅の地域活性化にも貢献しており、空き家や未使⽤の物件を有効活⽤する⼿段としても注⽬されています。

⺠泊の始め⽅

⺠泊を始めるには、以下の6 つのステップを順番に進めることが必要です。

  1. ⺠泊が可能な物件を探す
  2. 地域の規制や条件を⾃治体に確認
  3. 保健所へ必要書類の提出
  4. ゲストが快適に過ごせる環境づくり
  5. 写真撮影
  6. 宿泊サイトへ登録

それぞれの⼿順を詳しく解説します。

⺠泊が可能な物件を探す

⺠泊を運営するためには、まず適切な物件を⾒つける必要があります。

以下の点を考慮しましょう。

  1. ⽴地:観光地や交通の便が良い場所が理想的です。駅に近い物件や観光スポット周辺は、集客⼒が⾼い傾向にあります。
  2. 物件の種類:アパート、⼀⼾建て、マンションなど、どのタイプが良いかはターゲットとするゲスト層に応じて選びます。家族連れなら広めの物件、⼀⼈旅の旅⾏者ならコンパクトな物件が適しています。
  3. 物件の種類:アパート、⼀⼾建て、マンションなど、どのタイプが良いかはターゲットとするゲスト層に応じて選びます。家族連れなら広めの物件、⼀⼈旅の旅⾏者ならコンパクトな物件が適しています。
  4. 条件:⺠泊として利⽤できる物件かどうかを確認しましょう。特にマンションの場合、管理規約で⺠泊が禁⽌されているケースもあります。

地域の規制や条件を⾃治体に確認

⺠泊を運営する際は、地域ごとの法規制や条件に従わなければなりません。以下のポイントを事前に確認しましょう。

  1. 住宅宿泊事業法:⽇本では、住宅宿泊事業法に基づいて⺠泊を運営する必要があります。これは、年間の宿泊⽇数が180 ⽇を超えない範囲で許可されています。
  2. 特区⺠泊:地域によっては、特定の条件下で特区⺠泊制度が適⽤され、より⾃由に⺠泊が可能になるケースもあります。
  3. ⾃治体の規制:各地域には独⾃の規制がある場合があるため、物件が所在する⾃治体に事前に問い合わせを⾏いましょう。

保健所へ必要書類の提出

次に、必要な許可を取得するために、保健所に書類を提出します。これは、⺠泊が衛⽣的かつ安全に運営されるための重要なプロセスです。提出する書類は以下の通りです。

  1. 事業者の個⼈情報:申請者の⽒名や住所などの基本情報。
  2. 物件情報:物件の住所、構造、⾯積など。
  3. 消防法令適合通知書:消防署から取得する必要があります。
  4. 書類の準備が整ったら、保健所に申請し、認可を待ちます。認可が下りるまでに時間がかかる場合があるので、計画的に進めましょう。

写真撮影

⺠泊の集客には、物件の魅⼒を伝える写真が重要です。

以下のポイントに注意して、プロフェッショナルな写真を撮影しましょう。

  1. 明るい照明:部屋が明るく広く⾒えるように、⾃然光を活かして撮影します。
    広⾓レンズの使⽤:部屋全体を写すために広⾓レンズを使うと、空間の広がりを感じさせます。
  2. 重要なポイントを強調:リビングルーム、ベッドルーム、バスルーム、キッチンなど、ゲストが重要視する箇所をしっかり撮影しましょう。
    質の⾼い写真は、宿泊予約サイトでの⾒栄えを良くし、より多くのゲストを引き付ける要素となります。

宿泊サイトへ登録

最後に、⺠泊運営のために宿泊予約サイトに登録します。代表的なプラットフォームは以下の通りです。

  1. Airbnb:世界的に有名な⺠泊サイトで、多くの旅⾏者が利⽤しています。初⼼者にもわかりやすいインターフェースと充実したサポートが特徴です。
  2. Booking.com:ホテルや宿泊施設の予約で広く利⽤されているプラットフォームで、⺠泊物件の登録も可能です。
  3. 楽天トラベルやじゃらん:国内の旅⾏者向けサイトも活⽤できます。

登録後は、物件の紹介⽂や価格設定を⾏い、実際に予約を受け付けられる状態にしましょう。

価格設定は、近隣の同様の物件を参考にしつつ、季節やイベントに合わせて柔軟に変えることが⼤切です。

開業に必要な費⽤は?

⺠泊を始める際には、いくつかの費⽤が発⽣します。

これらは初期投資として準備しておくべき項⽬です。ここでは、⺠泊運営をスタートするために必要な費⽤について、具体的に解説します。

物件費⽤

⺠泊を運営するためには、まず物件の取得または賃貸が必要です。物件費⽤には以下のような項⽬が含まれます。

  1. 購⼊費⽤:もし物件を購⼊する場合、⼟地や建物の購⼊費⽤が発⽣します。都市部や観光地での物件購⼊は⾼額になる可能性がありますが、地⽅では⽐較的安価な物件も⾒つかるかもしれません。
  2. 賃貸物件の初期費⽤:賃貸の場合、敷⾦・礼⾦、仲介⼿数料、最初の家賃などの初期費⽤が必要です。賃貸契約の際には、物件の管理規約で⺠泊が許可されているかどうかを確認しましょう。

リフォーム・内装費⽤

⺠泊に適した物件が⾒つかったら、次はリフォームや内装の整備が必要です。特に古い物件や未使⽤の物件を使う場合、快適に宿泊できるように改装する必要があります。

リフォーム費用としてはキッチンやバスルームのリフォーム、床や壁の修繕、設備の交換などが含まれます。

物件の状態によっては、数⼗万円から数百万円の費⽤がかかることがあります。

また家具や家電の購⼊も必要です。ゲストが快適に過ごせるよう、ベッドやソファ、照明、カーテンなど、⽣活に必要なアイテムを揃えるための費⽤が発⽣します。

許可申請費⽤

⺠泊を合法的に運営するためには、地域の⾃治体や保健所に申請が必要です。その際、申請にかかる費⽤が発⽣します。

住宅宿泊事業法に基づく許可:申請には⼿数料がかかり、地域によって⾦額が異なりますが、⼀般的には2〜3 万円程度です。

特区⺠泊の認可:特区に指定されたエリアでは、特区⺠泊として認可を受けるための申請も⾏います。申請費⽤は⾃治体によって異なりますが、こちらも数万円程度です。

設備費⽤

⺠泊運営に必要な設備には、家具や家電以外にもさまざまなものが含まれます。

ゲストの快適さを向上させるため、以下の設備を整えることが求められます。

インターネットは、現代の旅⾏者にとって必須のサービスです。⾼速なWi-Fi を提供するためのルーターや回線の契約費⽤がかかります。

また鍵の管理や防犯カメラの設置など、セキュリティを強化する設備も重要です。

スマートロックなど、ゲストが快適にチェックインできるシステムを導⼊することもおすすめです。

清掃費⽤

ゲストが⼊れ替わるたびに、室内の清掃が必要です。清掃費⽤は以下のように分類されます。

プロの清掃業者に委託する場合、1 回あたりの清掃費⽤は数千円から1 万円程度です。清潔な環境を維持することは、ゲストの満⾜度向上に直結します。

また別途清掃⽤品の購⼊費が必要になります。⾃分で清掃を⾏う場合でも、洗剤や掃除道具などの消耗品を定期的に購⼊する必要があります。

宣伝・マーケティング費⽤

⺠泊運営を成功させるためには、宿泊予約サイトやSNS を活⽤した宣伝が不可⽋です。以下は、集客にかかる主な費⽤です。

宿泊サイトへの登録料:Airbnb やBooking.com など、宿泊予約サイトに登録する際の初期費⽤や⼿数料が発⽣します。宿泊料⾦の⼀定割合(通常は3〜15%)が⼿数料として差し引かれます。

SEO対策やSNS 広告を利⽤して、物件を宣伝するための費⽤がかかります。特に競争が激しいエリアでは、広告費をかけて集客⼒を⾼めることが必要です。

保険料

⺠泊運営には、ゲストが宿泊中に事故やトラブルが発⽣した際に備えるための保険が必要です。⺠泊専⽤の保険に加⼊することが推奨されます。

⼀般的な⽕災保険や家財保険では、⺠泊としての運営をカバーできない場合が多いです。

⺠泊専⽤保険は、ゲストが物件内で怪我をしたり、物件が損害を受けたりした場合の賠償を含む保険です。

年間数万円程度の保険料がかかりますが、安⼼して運営を⾏うためには必須です。

⺠泊のメリット

民泊のメリットについて具体的に解説をしていきます。

副収⼊の確保

⺠泊は空き部屋や未使⽤の物件を活⽤し、安定した副収⼊を得る⽅法として注⽬されています。物件を所有しているだけでなく、それを活⽤することで、特に繁忙期にはホテルと同等かそれ以上の収益を得ることが可能です。

また、通常の⻑期賃貸と⽐べて短期的に⾼い収益を⾒込めるため、物件の稼働率が⾼まれば利益も増加します。

繁忙期や閑散期に合わせた柔軟な運営

⺠泊運営では、価格設定や予約管理を⾃由に⾏うことができ、繁忙期や閑散期に応じて柔軟に対応できます。

繁忙期には料⾦を⾼めに設定し、閑散期には割引を⾏うなど、季節や需要に応じた運営が可能です。

また、オーナーの都合に合わせて物件を休業させることも簡単で、ライフスタイルに合わせた運営ができる点が魅⼒です。

この柔軟性は、特に⾃宅の⼀部を⺠泊として利⽤するケースや副業として運営する場合に⼤きなメリットとなります。

国際的な交流

⺠泊は、世界中からの旅⾏者を受け⼊れることができるため、国際的な交流が楽しめます。

特に観光地や都市部では、外国からのゲストを迎え、異⽂化を学びながら⾃国の⽂化や地域の魅⼒を伝える機会にもなります。

⺠泊は、単なる宿泊提供にとどまらず、地域のホストとして旅⾏者との交流を深めることで、ゲストに対して特別な体験を提供できる場です。

また、⼝コミによる評価が⼤切な⺠泊運営において、親切なホスピタリティを通じて⾼評価を得ることで、さらなる集客にもつながります。

初期投資が⽐較的少ない

⺠泊は、ホテルや旅館と⽐べて初期投資が少ない点が⼤きな利点です。

新たに物件を購⼊しなくても、既存の空き部屋や空き家を活⽤することができ、リフォームが必要な場合も、基本的な内装や家具の準備だけで済むことが多いです。

家具や家電を揃える費⽤やインターネット環境を整えるための設備投資は必要ですが、ホテル業界に参⼊するよりもはるかに少ないコストでスタートできます。

そのため、物件所有者にとっては⽐較的リスクの少ないビジネスモデルと⾔えます。

地域活性化

⺠泊は、地域経済の活性化に⼤きく貢献します。特に、観光地だけでなく、都市部以外の地域でも⺠泊の利⽤が増えることで、地⽅の観光客誘致や地域の活性化に繋がるケースが増えています。

空き家問題が深刻な地域では、⺠泊としての利⽤が、物件の有効活⽤だけでなく、観光客を呼び込み、地元の商店や飲⾷店などへの経済効果を⽣む役割を果たしています。

また、旅⾏者が地元の⽣活や⽂化を体験することで、その地域の認知度や魅⼒が向上し、さらなる訪問者増加にもつながります。

これにより、地域全体が観光によって潤い、地元住⺠にとってもメリットをもたらすことが期待できます。

⺠泊のデメリット

逆に民泊のデメリットについても解説しておきます。

近隣住⺠とのトラブル

⺠泊では、ゲストが短期滞在を繰り返すため、近隣住⺠とのトラブルが発⽣するリスクがあります。

特に騒⾳やゴミ出しのルールを守らない場合、周辺住⺠に迷惑をかけることになり、住⺠の反感を買う可能性があります。

トラブルを避けるためには、事前にゲストへ地域のルールをしっかり伝えることが重要です。

清掃や管理の⼿間

ゲストが⼊れ替わるたびに、部屋の清掃や管理が必要です。

シーツの交換や室内の清掃、ゴミの処理など、清潔な環境を維持するための⼿間がかかります。これらの業務を⾃分で⾏う場合は時間と労⼒がかかり、清掃業者に依頼する場合でもコストが発⽣します。

⾼評価を得るためには、常に⾼いクオリティの清掃が求められます。

法規制や許認可の⼿続き

⽇本では、⺠泊を運営する際に法律に基づいた許認可⼿続きを⾏う必要があります。

住宅宿泊事業法(⺠泊新法)や特区⺠泊などの法規制に従い、⾃治体や保健所への申請、消防設備の設置、近隣住⺠への説明会開催など、多くの⼿続きが必要です。

これらの⼿続きは⼿間がかかるだけでなく、許可を得られない場合もあるため、事前の調査や計画が重要です。

収⼊が不安定

⺠泊はシーズンによって収⼊が⼤きく変動します。繁忙期には⾼収⼊が⾒込めますが、閑散期には予約が⼊らないこともあります。

さらに、天候やイベントの影響で予約がキャンセルされることもあり、収⼊が予測しづらいのがデメリットです。

安定した収⼊を得るためには、価格設定や集客⽅法を⼯夫し、需要を⾼める必要があります。

リスク管理

⺠泊では、ゲストが滞在中に物件を損壊するリスクや、騒⾳、違法⾏為のリスクなどがあります。

ゲストが物件内で事故を起こした場合の賠償責任も発⽣する可能性があるため、リスク管理が重要です。

⺠泊専⽤の保険に加⼊し、万が⼀の事態に備えることが必要です。また、ゲストのトラブルに24 時間対応できる体制を整えることも求められます。

まとめ


⺠泊は副収⼊の⼿段として⾮常に魅⼒的ですが、適切な物件探し、法規制や許認可⼿続きの確認、快適な滞在環境の整備が必要です。

物件費⽤やリフォーム、設備費⽤など初期投資が⽐較的少ない点が魅⼒ですが、清掃や管理、近隣住⺠とのトラブル対応、収⼊の不安定さなどの課題もあります。

成功するためには、これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じることが重要です。しっかりとした計画と準備が、⺠泊運営の成功に繋がります。

大久保 太一
大久保 太一
弊社行政書士事務所では、物件選定、許可取得から運営、法律相談まで伴走的にサポートをしています。最善な方法をご提供しますので、お問い合わせから無料相談お待ちしております。