~今から民泊を始めるには?初心者が知っておきたいポイント~
「旅行先で“暮らすような体験”がしたい」――そんなニーズに応える民泊が、今注目を集めています。とくに大阪では、2025年の万博開催を控え、観光客の増加とホテル価格の高騰で、民泊の需要が急上昇中。空き家や中古物件を活用し、初期費用を抑えて始められる点も魅力です。
- 民泊経営に興味がある初心者の方
- 大阪で民泊を始めたい方
- 民泊参入に不安をお持ちの方
民泊市場が再び活況、届け出件数は過去最多に

民泊の宿泊実績、直近は3割増、国籍別の宿泊者は日本人が5割、外国人国籍トップは韓国|トラベルボイス(観光産業ニュース)
新型コロナウイルスの影響で一時的に落ち込んでいた民泊市場が、2024年に入り急速に回復しています。観光庁によると、2024年7月時点で全国の民泊届け出住宅数は2万5000件を超え、コロナ前の水準を上回って過去最多を記録しました。
中でも大阪市は民泊の“激戦区”として注目されており、同月の届け出件数は1710件。東京23区を除く全国の市区町村で最多となっています。
宿泊料金の高騰が民泊利用を後押し

背景にはホテル不足と宿泊料金の高騰があります。特に訪日外国人(インバウンド)観光客にとって、民泊は手頃な価格で広いスペースが利用できる魅力的な選択肢となっており、2024年4~5月の全国民泊宿泊者数は前年同期比約1.3倍の32万5000人と大きく増加しています。
民泊運営事業者のLDKプロジェクト代表・生田博之氏は「2023年から2024年初頭までは競合が少なく、比較的簡単に予約が取れた」と語りますが、現在は競争が激化し、「予約が取れる物件とそうでない物件の“二極化”が進んでいる」と警鐘を鳴らします。
2025年に開催される大阪・関西万博を見越した新規参入が相次ぎ、立地や運営スキルの差が結果として表れ始めています。
今から始める民泊、初心者が知っておきたい3つの基本

1.法的手続きと制度の理解
民泊を合法的に運営するには「住宅宿泊事業法(民泊新法)」に基づく届け出が必要です。大阪では地域ごとに条例が異なるため、物件所在地に応じた確認が不可欠です。
また、地域によっては「特区民泊」や「旅館業法に基づく簡易宿所営業」の許可を取得することで、営業日数の制限を受けずに運営が可能な場合もあります。自分の運営スタイルに合った制度を選びましょう。
2.物件選びと内装の工夫
成功する民泊には「立地」と「設備」が重要です。観光地や主要駅へのアクセスが良いエリアは集客力が高く、宿泊者からも高評価を得やすいです。
また、長期滞在を希望する訪日客や日本人出張者に向けて、Wi-Fi完備、キッチン付き、洗濯機設置などの設備を充実させることでリピート率が向上します。
3.集客と運用のスキルが収益を左右
競争が激しい大阪エリアでは、OTA(Airbnb・楽天LIFULL STAYなど)での露出強化が欠かせません。掲載写真のクオリティ、料金設定、レビュー対応など、細部にわたる運用力がリスティングの魅力に直結します。
加えて、SNSや自社サイトを活用した差別化戦略も有効です。予約率の高い民泊施設は、こうした地道な努力を継続して積み重ねています。
日本人利用も拡大、民泊の役割が変化

かつては「民泊=外国人向け」というイメージがありましたが、2024年には日本人の利用も着実に増加しています。4~5月の宿泊者のうち、日本人は約44%(14万3000人)を占め、前年同期比6.8%増となりました。
背景にはホテル価格の高騰があり、会社の出張費を超えてしまうケースも多く、民泊を選ぶビジネスパーソンが増えているといいます。LDKプロジェクトの生田氏も「コロナ前は日本人の割合が5%程度だったが、2024年には20%にまで上昇した」と話します。
1.選ばれるポイントは「自由度」と「コストパフォーマンス」
外国人観光客の多くは「現地での暮らしを体験したい」という思いを持っています。民泊はホテルと異なり、キッチンでの自炊や現地飲食店の利用など、自由度の高い滞在が可能です。
シンガポールの大手予約サイト「Agoda」によれば、日本での民泊ニーズは依然として強く、特に外国人は心理的ハードルが低く利用しやすい傾向にあります。
2.地方にも広がる民泊、空き家活用も進む
大手民泊プラットフォームAirbnbは新潟県佐渡市と連携協定を結ぶなど、地方展開も強化中です。
例えば、福井県の海沿いエリアでは1泊3500円~4000円の民泊が検討されており、ビジネスホテルの約半額で宿泊できる価格競争力も魅力となっています。
3.差別化の鍵は「大人数対応」と「日本らしさ」
円安による価格優位性は今後変化する可能性があり、民泊市場でも“独自の強み”がより重要になります。
たとえば、LDKプロジェクトが運営する「eni.suite unryuen(エニスイートうんりゅうえん)」は、最大20名のグループが宿泊可能な大型民泊施設。アジア圏の大家族や団体旅行者をターゲットにしており、庭園付きの風呂や和風の内装が特徴です。
立地も関西国際空港から大阪中心部への通過点「天下茶屋」にあり、アクセスの良さも人気の理由となっています。
まとめ:大阪で民泊を始めるなら“今がチャンス”

インバウンドの再拡大、宿泊単価の上昇、2025年の大阪万博――これらが重なり、今、大阪民泊市場は未曾有のチャンスと競争が共存するフェーズにあります。
これから民泊を始めたいと考えている方は、まず法制度と地域ニーズを正しく理解し、魅力的な物件運用と適切な運営スキルを身に付けることが成功への近道です。
「自由度」「価格」「体験価値」という民泊の強みを活かし、ホテルに代わる新たな選択肢として、大阪民泊の可能性を広げていきましょう。